啓介センセーの熱い夜




Secret File  No.2







熱を持った体が時折ピクリピクリ、と跳ねる。そしてその度に

「っ……ゃ、め……っ」

と言葉では拒否しながらも混じる吐息は甘い、拓海の呟きが漏れる。

上半身はあっと言う間に服を脱がされその肌の上を啓介の唇と舌が通り過ぎていく。ぷくりと存在を示す、淡い突起を唇で甘く噛めば拓海の体はまた反応した。

「ん、ァっ………」
「すげぇ、感度いいよな……拓海……」

舌を伸ばしチロチロと舐めると拓海の濡れた瞳がギッと啓介を睨みつける。

「そんな目で睨んだって…よけい煽るだけだぜ……?」
「いい、加減に……っ…離し―――あぅっ!」

思わず漏れた自分の甘ったるい声に驚いて、拓海は慌てて自分の腕に噛みついた。啓介の手がジーンズの前を寛げ下着の上から拓海の中心をなぞったからだ。腕に噛みついたまま声を押し殺す拓海に、啓介は頬にキスを繰り返してそっと腕を離させた。
うっすらと腕に噛んだ後が残っているのを見て、そこをペロリと舐める。

「ダメだろ……痕、残っちまうぞ……」
「だ、て………」
「いいから………俺しかいねぇし俺しか聞いてねぇからさ、」

もっと声を聞かせてよ。

そう囁いて啓介の手は再び拓海自身に伸びていった。

拓海のソコはもうすでに先走りで濡れている。啓介の手が下着ごと拓海の自身を握り、親指で先端をくいくいっと擦れば一際甘い声があがり拓海が背中を反らす。

「んぁっ―――…そ、な……っ、」
「…良すぎて、ヤバイ……?」
「違っ、そ、じゃな………ぅ……」

尚も素直に快感に溺れない拓海に小さく笑みを浮かべると、啓介は下着ごと拓海のジーンズを剥ぎ取って放り投げた。 何も纏っていない状態された拓海が起き上がろうと暴れるのを膝の上に跨って封じたまま自分も着てたTシャツを脱いで放る。
目の前に現れた啓介の上半身に、拓海は思わず見とれて動きが止まった。

「………そんなに見とれんなよ」

くつくつと笑いながら、啓介は再び拓海の肌を愛撫し始めた。その動きに拓海は「ぁ………っ…」と思わず声を漏らし、また腕で口元を隠す。
啓介の唇が下りていき、やがて硬く勃ち上がって震える拓海自身に辿りついた。

「……ゃっ――何、す………」
「何って…そりゃあ………なぁ?」

次にくる行動を予感したのか、拓海が肘を付いて上半身を起こし見下ろす。その瞳は潤みつつ、信じられないという表情がありありと浮かび上がっている。
啓介はそんな拓海に安心させるように笑みを浮かべ、次の瞬間には口を開き、拓海自身を握りしめて咥えこんだのだった。

「アァ―――――っ!!」

自身がすっぽりとぬくもりに包まれ、蠢く舌の動きに拓海は腕で口を塞ぐ事も忘れて小さく声をあげた。
その声に満足げに笑うと、啓介はゆっくりと舌と手のひらで拓海自身を愛撫し始めた。





やがて啓介が口元をベタベタにしたまま顔を上げ、自分のジーンズを下着ごと脱ぐのを拓海はぐったりとしながら見つめていた。 極限まで快感を味わされた自身は、今はもはや解放されるのを待ちわびて震えている。

「………拓海……一つだけ訊いていいか?」

端正な顔が間近に迫り、拓海は上気した表情を見られたくないのか横に向け逸らす。それを自分の方に向けさせじっと見つめたまま啓介は言葉を続けた。

「俺……お前と、一つになりたい」
「……な……っ…」
「でも…この行為はお前の体に相当負担をかけちまうんだ」


もちろん、なるべく負担は軽くようにする。でも――――


そこまで言って啓介は拓海の唇にそっと口づけた。

「拓海がどうしてもそれはイヤだと言うなら……無理強いはしねぇ」
「け…すけさん………」
「…医者としても、あまりオススメはできねぇしな」

コツン、と額をつき合わせて呟く啓介に、拓海は目を閉じて背中に手をまわした。

「……センセー、なら………」
「ん………?」
「………ちゃんと、治してくれる……すよね…?」
「……拓海………」

啓介がその言葉に見下ろそうとすると、拓海は目を閉じたまま更に顔を啓介の肩に押しつけ隠してしまった。

「当たり前だろ……?俺、拓海専属のセンセーだし」

そう耳元で囁くと、拓海は顔を隠したまま啓介の背中をバシッと叩いたのだった。





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